WEBサイトのヒートマップ情報を商談に活かす方法【CRM】
WEBサイトの分析・解析で利用される「ヒートマップ」という技術があります。
ヒートマップとはユーザーどのようにサイトを見ているのかを色の濃淡を利用して計測できる技術です。
ヒートマップは従来サイト改善の分野で利用されるもので、ユーザーが注視している箇所をもとにLPの情報設計の順序を変更したり、ヒートマップを利用してサイトのUI/UXを改善するためにあります。
しかし、ヒートマップ情報を利用して、リード情報と紐づける方法もあります。
ユーザーがどこを注視しているのかを理解できれば、商談時に「ここが良いところで〜」だったり「ここ気になりますか?」と先回りしてフォローすることもできますよ。
目次 ▲
ヒートマップとは?本来の使用方法を解説
ヒートマップは、ユーザーが「どこを見て・どこをクリックし・どこまでスクロールしたか」を色で可視化するツールです。
数値だけでは分からない“ユーザー行動の本質”が判別でき、LPやコーポレートサイトの改善に非常に相性が良い手法です。
代表的なヒートマップは、下記があります。
①クリックヒートマップ(どこが押されているか)
②スクロールヒートマップ(どこまで読まれているか)
③マウスムーブ/アテンションヒートマップ(視線の集中エリアの推定)
まずはトップページやLP、サービス紹介、資料請求フォームなどに絞って計測するのが現実的です。
サイト改善での代表的な利用方法
サイト改善でよくある使い方は大きく4つあります。
CTAの位置が正しいか判別できる
1つめは「クリックされていないCTAの発見」です。
資料請求ボタンやお問い合わせボタンより、別のリンクや画像にクリックが集中している場合、ユーザーは本来のゴールを認識できておらず、離脱の原因になる可能性があります。
テキストを変える、ボタンを増やす/減らす、色やサイズを変える、といった課題をヒートマップから抽出できます。
読まれていないコンテンツを整理できる
2つめは「読まれていないコンテンツの整理」です。
スクロールヒートマップで急に色が薄くなる位置は“離脱ポイント”になります。
その位置より下に重要情報やCTAがあるなら、上に持ち上げる、構成を入れ替える、セクションを削るといったリデザインが効果的です。
海外の調査でも、スクロールヒートマップを使って配置を見直したサイトは平均でエンゲージメントが伸びたと報告されています。
イライラクリックによるUXの損失を発見できる
3つめは「誤クリック・イライラポイントの特定」です。
クリックヒートマップを見ると、リンクではない画像や見出しに大量のクリックが集まっていることがあります。
ユーザーは“ここを押せるはず”と思っている証拠なので、そこにリンクを追加するか、見せ方を変えるべきです。
Microsoft Clarity などのツールでは、連打されている箇所(レイジクリック)も分かるため、UIのストレス源をピンポイントで修正できます。
EFO(お問い合わせフォーム改善)に利用できる
4つめは「フォーム改善」です。
問い合わせフォームや資料請求フォームの完了ページに到達しているユーザーの動きをヒートマップやセッションリプレイで追うと、どの項目で止まりやすいか、どのボタンが押されがちかが分かります。
海外のBtoBサイトでは、ヒートマップを使って不要な項目を削減し、フォームの構成を変えた結果、送信完了率が2倍以上になった事例も報告されています。
ヒートマップを使ったサイト改善の海外事例
実際の海外事例をいくつか紹介します。米国のECサイトではヒートマップを用いて、ユーザーがページ上部の大きなイメージばかりクリックしていることに気づきました。
そこで画像自体を商品カテゴリーへのリンクに変更し、ナビゲーションを整理したところ、コンバージョン率が数倍に向上したとされています。
別の事例では、欧米のソフトウェア企業がヒートマップと録画機能を使い、LP上の2つのボタンのうち「詳細を見る」ばかりがクリックされ、「無料トライアル」ボタンはほとんど無視されていることを発見しました。そこで、“無料で試す”というメインCTAをファーストビューの中央付近に集約し、ボタン色とサイズを変更した結果、公開後のレポートでは売上が約20%増加したと紹介されています。
このように、ヒートマップは「なんとなく良さそうだから変える」のではなく、「ユーザーが実際にどう動いているか」という事実にもとづいて改善案を出すためのツールです。
GA4などの数値レポートで“どのページで離脱しているか”を把握し、ヒートマップで“なぜ離脱しているのか”を可視化し、ABテストで“どの案が一番良いか”を検証する——この3ステップを回すことで、LPやサービスサイトの成果を継続的に伸ばしていくことができます。
ヒートマップを営業に活かす方法
続いて、ヒートマップを営業に活かす方法を紹介します。
まずは、WEBサイトからのお問い合わせが来た際にリード情報のアクセスログを判別できるようにしておく必要があります。
セレクテッドで開発しているネオサイトでは、リード情報のアクセスログの取得と、ヒートマップを紐づけてお問い合わせした人が何を気にしているのか?を確認することができるようになっています。
自社サイトに訪れたユーザーがどこを見て、どのページを特に見ているかが分かるわけですね。
例えばSaaSの場合、「この人は機能面を見ているのか」それとも「価格面を見ているのか」が分かります。
機能のところをよく見ているのであれば、商談時は機能面の補足をしてあげるべきでしょう。
料金プランの箇所を見ているならば、プランごとの費用感や補足をしてあげるなどヒートマップは商談を改善するきっかけにも利用できるのです。
商談の作戦を立て、ダラダラ営業を回避する
みなさんはサービス資料を1から10まで説明する「ダラダラ営業」をしていませんか?特にSaaS系やソフトウェア関係のセールスの方に多いイメージです。
「当社はこんな機能があって〜」「競合との立ち位置はこうで〜」「価格はこうで〜」「注意点は〜」と全てを説明するセールスは、嫌われます。
おそらく、会社の営業方針で決まっているから、ダラダラ営業をしてしまうのでしょう。
特に役員レベルにもなるとかなり忙しく働くため、商談を受ける時間は1分でも早く終わらせたいのです。
もしいま、そのような商談を行ってしまっているのであれば、ヒートマップが活用できるかもしれません。
「このあたりが気になっていそうだな」と推測して、他の箇所は資料を振れるだけでフォローする。
「お忙しいと思いますので、重要な箇所と気になる箇所以外はスキップしますね」というフォローをしてあげると良いでしょう。
お問い合わせログを取得して商談に活かすのは、個人情報保護の観点で問題ないのか?
結論から言うと、問い合わせフォームのリード情報と「アクセスログ」「ヒートマップ(セッションリプレイ)」を紐づけて分析すること自体は、目的と運用をきちんと限定していれば個人情報保護法上、問題ないと言えます。
このあたりは、顧問弁護士の方と協議の上で最終決定すると良いと思いますが、「利用方法をきちんと明記して、リード情報を取得すれば」問題ありません。
「何を」「何のために」情報を集めるかをわかるように明示することが最も大切になります。利用規約に同意をさせる必要があり、この仕様が無いと収集はご法度になるでしょう。
また、展示会リードや名刺リードなど同意が取れていないリードについては、アクセスログを取らないほうが無難だと言えそうです。